【新約 とある魔術の禁書目録】21巻 感想・レビュー 人を大切に思う気持ちに形を与える技術、それが魔術である ※ネタバレあり

新訳 21巻の感想です。

いきなり話が変わってしまいますが、とある3期がいよいよ放送されました。2期からは8年ほどですか。長かったです。でも、こうして無事に物語の続きが見られるのですからそれで十分。

自分は原作から入ったので、アニメがすごい待ち遠しかったと言われるとちょっと違いますが、やっぱりキャラが動く所を見られるのはいいものです。

OPを見た感じだと、第三次世界大戦ぐらいまでやるっぽいですが尺が足りるのかどうか。枠が決まってるから仕方がないのですが、やはりなるべくじっくりとやっていって欲しいところ。展開が早くなり過ぎないことを祈ります。

個人的に3期でやる範囲では、アックアと騎士団長の対決が楽しみです。この対決は2人も魔術側なので魔術を使う場面もありますが、それ以上に剣を使っての武術での戦いも見どころ。ぬるぬる動かせたらすごい映えると思うんですがね。

話を戻しましょう。21巻は思ったよりも早く発売されましたね。20巻から4ヶ月ほどで発売されています。物語も後半ということで、クライマックスに向けて筆の進みが早くなっているのでしょうかね。いっても、いくらでも続きを書けそうですから何とも言えませんけど。

表紙は一方通行と前巻で一方通行の仲間?奴隷?となった人工悪魔クリファパズル545が飾っています。

小説の描写だと、見た人に不快感を与えるような見た目みたいに書かれていますが、絵で見ると悪戯っ子的な可愛さがあります。

ここからは人物ごとに所感の方を書いていきます。

・上条当麻

今回は前の巻よりは活躍はしませんでしたね。まぁ、今回のボスがメイザースなので、クロウリーが主役になるのは当然ですね。それでも、上条さんは十分に活躍していましたけど。

前巻でメイザースが復活?してしまいクロウリーは一度絶望しましたが、そこで立ち上がったのが上条当麻と一方通行の2人。ヒーローとダークヒーローの共闘は熱い。前巻の引きの時点でめちゃくちゃ興奮してました。

上条さんが突っ込んで相手の魔法を防いで、一方通行が攻撃を叩き込む。一方通行の上条当麻のカバーが絶妙で、2人は前からコンビ組んでいるんじゃないかと思うほど。

しかし、メイザースはそんな2人の猛攻を受けても何かしたのかと言わんばかりに、顔色ひとつ変えずに立ち上がってきます。

メイザース1人ならまだしも、メイザースには及ばないがそれでも相当な実力を持つ黄金のメンバーもいました。このままでは勝てないと、上条さん達はクロウリー・ハザードを盾にピカデリーサーカスというショッピングモールに逃げ込みます。

メイザース達は魔術で攻めてくる一方、上条さん達は今の魔術を作り上げてきた奴に魔術で対抗しても仕方ないとして、今まで積み上げきた科学の技術を持ってして対抗しようと準備を進めます。

クロウリーの話についていけない上条さんが自分の無知っぷりを遺憾なく発揮しているのが可愛いですよね。クロウリーも解説するのが好きなのか、ついつい話してしまうようですが。上条さんも理解はできずとも、話を聞いてくれるので余計に話したくなっちゃうんでしょうね。その度に補足をしているオティヌスが大変そうですが。

あれこれと準備をしているうちに、黄金のメンバーは瞬く間に攻めてきます。黄金の驚異は個人の強さではなく、メンバーの間での連携での強さ。魔術師の中でも屈指の強さである黄金が、個ではなく集団での強さを強みにしているのが面白い。今までに、連携を取って攻めてくる敵もあまりいなかった感じがしますし。

それに対抗して、上条さん達は準備していた現代兵器を持ち出します。それでも、退ける事が精一杯でまたも逃げ出します。黄金の復活の秘密を探るために黄金の本拠地であるイシス=ウラニア別館に向かいます。

何かを掴んできたクロウリー。しかし、そこでまたもや黄金が攻め入ってきます。しかも、今回は黄金の長であるメイザース。メイザースは自身の十八番ともいえる魔術、「蝿の王」を行使してきます。どうにか、上条さんと一方通行のコンビネーションで切り抜けます。上条さんの掛け声に一方通行があわせてくらるのが、何だか可愛い。

しかし、劣勢であることは変わらないまま。クロウリーはここで奥の手で学園都市の機能を再起させ、衛星兵器を行使します。ただ当てるのではなく、一方通行に反射させることによって。普段、あまり仲良さそうではないのにここぞという時には、素晴らしいコンビネーションを発揮しますよね。

ただ、学園都市の機能を再起動させるということは、学園都市に封じ込めてたコロンゾンも目覚めるということ。これが、後にどのように影響してくるか。クロウリーもなるべくなら使いたくなかったでしょうが、メイザース相手であれば仕方ありません。

それでも、なお。メイザースはまだそこに存在していた。体が蒸発するかのような一撃を喰らっていたのに。メイザースの周りで舞っていたのはタロットカード。つまりは、ミナ=メイザースと同じような存在だった。

人という存在ではなく、魔道書「原典」として再編された存在。生命力ではなく、地脈や龍脈から力を吸い上げ魔術を行使する。だから、いくらメイザースを傷つけたとしても再生していた。

上条さんの攻撃を体で受けずに魔術で防御したのは、幻想殺しに触れてしまえのを恐れていたから。一方通行が人の体の血管や神経を破裂させる攻撃が効かなかったのも、そもそも人ではなかったから。

相手の正体を看破できたからといって、有効な攻略法が見つかったわけではない。以前、劣勢のまま。メイザースは上条さん達よりも大事な用事があるようで、退散していきました。上条さん達よりも優先する用事とは。

新ためてメイザースの遺体について考える上条さん達。メイザースの遺体はなかったものの黄金のメンバーは、ウェストミンスター寺院を守っていた。ということは、メイザースの遺体はやはり、黄金にとっては重要なもの。

そもそも、メイザースならば自分の遺体はロンドンてはなく、生前固執していたスコットランドに埋めるはずだと考えを改めたクロウリー。とはいえ、最初にウェストミンスター寺院に行こうと言い出したのはクロウリー。何を今更ドヤ顔で語っとんねんって感じですけどね。

メイザース達が引いたということは、スコットランド方面で何かがあるということ。上条さん達は思い返すと、王室派がロンドンからスコットランドへ避難している事を思い出します。

スコットランドに遺体があるとすれば、必然的に上条さん達も追いかけることになる。クロウリーはいつの間か用意していた、ジェット機で向かい、俺は知ったことじゃないと一方通行は1人でどこかへ。便利な移動手段を持っていない上条さんはどうしたかというと…。

何かと縁のある女性騎士の馬に乗せてもらっていました。どうやら、道がわからず途方に暮れていたようでそこに上条さんはつけ込みました。

最近、度々出てくるこの女性騎士。ポンコツな感じが可愛いですね。名前が出てきてない気がしますが、出すつもりはないのでしょうか。女性騎士っていう単語がいいですよね。

馬に乗せてもらうことで、何とか王室派を追っているメイザース達に追いつくことができた上条さん。メイザースと戦おうとするものの、移動しながらの戦い。時速180キロの世界では普段通りの力は出せず、メイザースに攻撃を届かせることもできない。

しかし、それは相手も同じこと。相手の体制を崩すことによって転ばせ馬で踏み付けるなど、この状況を利用して上条さんも何とか追いすがります。

上条さんだけでなく、女性騎士も王室派を守るために戦います。魔術を行使するが、魔術を作り上げた黄金には通用しない。それでも女性騎士は今ある武器を最大限に駆使し、黄金に喰らいついていきます。

あえて、ボウガンを使いブラフにすることで隙を作り、馬で騎士蹴り飛ばす。アレックス君大活躍です。あれを喰らって平気な顔している上条さんって一体…。上条さんの耐久力はやはり化け物ですね。

黄金のメンバーを退け油断してるところに来たのはメイザース。上条さんが打って出ますが、一度幻想殺しを見ているメイザースは対処法を心得ていました。攻撃のタイミングをずらされ、攻撃を喰らってしまった上条さんはそのまま車列から落ちてしまいました。

このまま地面に転がっていくのかというところで、来たのが上条さんがイギリスにいることを知り飛んできた御坂達。ホントもう狙ったかと言わんばかりのベストタイミングでした。

こんな大ピンチの時でもここぞとばかりに、AAAに相乗りしていた食蜂は飛び込んできた上条さんに今までの鬱憤を晴らします。食蜂は肉食に見せかけて、押しに弱いのが可愛い。御坂は操縦してるので、手が出せない訳のがもどかしそう。

とあるはシリアスな時でもこういうおふざけが入ってくるのがいいですよね。シリアスになりきらないというか。ふふってなる。

心強い援護を受け、再びメイザースの前に立ちはだかる上条さん。メイザースの魔術から持ち前の勘の良さで、攻撃をかわしていくが攻勢に回ることができない。窮地に立たされている時に現れたのが、先に行ったくせに一向に出てこなかったクロウリー。

どこかをほっつき歩いていた訳ではない。攻撃の準備に時間がかかるから先に行っていたのだ。上空から自分ごと赤い彗星のごとくクロウリーはメイザースに突っ込んでいきました。

メイザースももちろんただ受け止める訳ではなく、蝿の王を持ち出しこれに対抗。クロウリーの渾身の攻撃も逸らされてしまう。

これで終わりかと思われたがそうではない。上条さんの他にもこの場にはクロウリーの成果物はいます。御坂美琴、食蜂美咲。もっと言うなら御坂の扱うAAA。AAAは元はと言えばクロウリーが窓のないビルにいながら魔神を殺すためのもの。AAAから先と同じ赤い光を放ち、ついにメイザースにクリーンヒットします。

メイザースはそのままどこかへと落ちていき、攻撃を逸らされたクロウリーもどこかに落ちていきました。メイザースとの決着はクロウリーへと託されます。

メイザース達黄金を退けた上条さんは王室派と共に、メイザースの遺体があるエディンバラ城へと到着。上条さんは御坂達といっしょに遺体を探しに行きます。

ここで、当然のように上条さんが御坂達を誘って行くのがいいですよね。前の上条さんだったら1人で行こうとしたかもしれませんし。そのことに御坂は心の底から喜んでいました。その言葉をずっとずっと待っていた。他の人からしたら何てことない気がしますけど、それを御坂は一番待っていた。

遺体の元にはすでにメイザースと決着を付けたクロウリーがいました。クロウリーが遺体にあれこれ何かしている最中に来客が。学園都市に封印されていた大悪魔コロンゾン。学園都市の機能が戻って復活した後、メイザースの遺体の元へと向かっていたのです。

やっとチャンスを掴んだと思いきや瞬く間にピンチに。このままコロンゾンにやられると思いきや、コロンゾンの動きがピタリと止まります。止めたのはクロウリー。遺体を利用して、コロンゾンの動きを制御したのです。

そのまま、クロウリーはコロンゾンとクロウリーの2人目のローラとの接続を解除します。倒れるローラを受け止めるクロウリー。ローラにいつぶりかのおかえりを告げます。この時をどれほど待っていたのか。

「いいえ、まだでしてよ」。クロウリーは刺された。娘であるローラに。

そう、ローラ・スチュアートはクロウリーの2人目の娘などではなかった。他の誰でもなく、外も中もない、どちらも正体は大悪魔。思えばローラが2人の娘である何て言い出したのは、コロンゾン。あの大悪魔が言うことに信憑性なんてない。

とはいえ、本当に驚きました。今の今まで騙されていました。いくら言った人物に信用がないからといって、その場の雰囲気、所作、表情などで人はいくらでも信じてしまう。

これでようやく、メイザースの呪縛から解き放たれたコロンゾン。コロンゾンが大仰にクロウリーが死んだなどと言っているが、クロウリーはまだ生きていました。

クロウリーの治療は御坂達にまかせ、少年はその右の拳を握りしめる。そして、「その幻想をぶっ壊す!」と言い放った。

と言ったところで、上条サイドは終了。最後の最後にげんころが聞けて今回は満足。次巻では上条さんの活躍が期待できそうです。

・一方通行

前巻で新たなカード、人工悪魔クリファパズル545を従えた一方通行。今回はクリファパズルとの会話が多く見られます。

今回もクロウリーと、そして上条当麻と行動していました。戦闘では上条さんと抜群のコンビネーションを発揮して内心ウキウキだったでは。

上条さんとは違って全然これぽっちもクロウリーのことを信用していない一方通行は、クロウリーがいつ失敗しても構わないように裏であれこれ手を焼いていました。目の前でやらかしてるクロウリーを見ていたら、信用も何もないか。

一方通行はクリファパズルの力を使うというよりは、自分の考えを整理する相談役や自由に移動できるため情報収集に行かせたりしていました。一方通行の協力者としては初めての魔術側の者ですからその面で頼っているのでしょうね。

クリファパズルとのじゃれ合いも見てて面白かったですね。くすぐり地獄とか。なまじ、クリファパズルが余計な事を言うから一方通行にお仕置きされてしまっています。それも悪魔であるからなのでしょうかね。

一方通行のクリファパズルへの信頼というか仲間として見てるいる部分があり、そこも見どころでしたね。

一方通行は遺体を回収した後のことを考えそこまで息を潜めることにするのですが、一方通行は寝ると言って本当に寝てしまいます。クリファパズルは、寝首を掻かれても知らないぞと言うのですが一方通行はそれにも構わずクリファパズルの目の前で眠りました。

一方通行は何も言いはしませんでしたが、行動で示したのです。寝てる間はこの場はクリファパズルに任せたと。そんな一方通行に何も言えないクリファパズルは、しょうがないなぁと言わんばかりに一方通行の隣に座り、頭を肩に乗せました。

ここのクリファパズルがもう可愛すぎて。挿絵とかはないんですけど、その光景を想像するだけで萌えます。ぜひとも挿絵が欲しかった。クリファパズルは今までに誰にも任されたり、信頼されたことがないから尚更響いたんでしょうね。信頼されたい人から頼られるのは嬉しいものです。

コロンゾンがメイザースとの契約を解除され解き放たれた時、クリファパズルにも異常が起きていました。クリファパズルはクロウリーにやられてなお存在していた訳ですが、無事な訳ではなく着々とクリファパズルを蝕んでいました。クリファパズルもこれを予見して、一方通行にメッセージを残していました。この情報を使ってコロンゾンに一泡吹かしてほしいと。

パァン!と弾ける音がした。その瞬間、クリファパズルを蝕んでいたものがなくなった。一方通行がクリファパズルに異常を引き起こしている部分だけの力を飽和させることによって、クリファパズルを傷つけることなく救ったのです。

クロウリーやメイザースでも思いつくかどうかの方法でクリファパズルを救ったのです。今まで魔術の知識などほとんど持っていなかった素人が、少し聞き齧った程度の知識で見事に救い出した。これが、天才。吸収力とその応用力が常人とは違う。

呆気なく助けられたクリファパズルはどうして助けたのか、と尋ねます。自分はあの大悪魔コロンゾンに創られた存在。ただの兵力のそんな私を。

だからどうした、と一方通行は返します。悪だからといって理由をつけて、自分勝手に諦め自己犠牲に走るな。悪だからやっちゃいけないこも何てない。悪だから救われてはいけない何てことはない。かつては自分もそうだった。自分を捨てて誰かを守るのでは、本当の意味で守ることはできない。自分を大切にしなければ、大切なものも守れない。

クリファパズルは、みっともなく嗚咽を上げて泣いて隠そうともせず示した。自分は救われたいのだと。改めてお前は俺のものだと一方通行は告げると、クリファパズルから話を聞きます。あんな書き残したものじゃなく、お前の口から伝えてくれと言って。そして、一方通行も闘いへ乗り出す。

一方通行の活躍自体は少なかったですが、一方通行の成長と変化が見られました。クリファパズル可愛い。次巻の本格参戦が楽しみです。

・アレイスター・クロウリー

今回のボスが黄金を率いるメイザースであるならば、やはり1番の主役になるのはクロウリー。

今回も散々に上条当麻と一方通行を引っ掻き回すクロウリー(おもに上条当麻)。詰めの甘さというか運のなさというかそういうのも垣間見えましたね。そこは今回は一方通行が上手くカバーしてくれました。

今回のクロウリーは科学としての1面を存分に見せてくれました。相手は魔術の基礎を築いきた黄金。ならば、今まで積み上げてきた科学で対抗するしかない。クロウリーは、そこら辺のガラクタからあれよあれよと即興で現代兵器を創り出し、黄金を退けていました。

上条さんや御坂達と協力してメイザースに一撃を与えた後、クロウリーもどこかに墜落していました。そこはスコットランドのどこかの平原。メイザースの落ちていった方向を考えれば、この近くにいるはず。すると、どこからかメイザースの声が聞こえてきました。

とりあえず、メイザースをエディンバラ城に行くのは阻止した。後は少し時間さえ稼げれば誰かがなんとかしてくれる。逆に言えば、メイザースとの決着には誰一人として助けを期待できない。雌雄を決する1対1の決戦。

しかし、クロウリーは既に満身創痍。メイザースを倒すにはこれまでの100年で積み重ねてきた科学では足りない。アレイスター=クロウリーの全てを引き出さなければヤツには勝てない。

辺りを見回したクロウリーは小さな教会を見つけました。そこはかつてアレイスター=クロウリーが妻ローズ=ケリーと結婚式を挙げた教会。ここのここまで来て、こんなものが。

その教会に誰かが来た。その正体はしていたオルソラ=アクイナス。大きな傷を負っているクロウリーを見たオルソラはすぐさま駆け寄り、介抱し始めました。そんな彼女にクロウリーは質問を投げかけます。罪は赦される時が来るのか、と。

オルソラは一生をかけてその答えを探すのだと、求めれば答えが出るものではなく神が救いを与えてくれるのだと答えました。オルソラも前巻で力に手を染めてしまった身。そんな彼女が必死に絞り出した言葉は、銀の少女に響くものがあった。

求めれば求めるほど、欲しかったものは遠のいて行く。だから求めないし、期待しない。幸せな話を聞く度に何か裏があるのではないかと勘繰ってきた。不幸や悲劇を創り出してきたクロウリーは幾度となく見てきた。偶然という偶然が重なり命を落とす筈だったものが救われる様を。

自分にはなかったものを散々に見せられた。クロウリーはだからこそ神様ってヤツが嫌いなんだと呟いた。そして、何かを振り切った銀の少女は手に取った。あれほど嫌っていた十字教の聖書。使えるものならば使わない手はない。

いざ、教会から外へ出ると待ち構えていたかのように現れたメイザース。クロウリーは聖書を用いての魔術を行使すると、メイザースも敢えて同系の魔術を使った。

魔術を撃ち合い接近したかと思うと、杖をしまい両者とも拳で殴り合う肉弾戦。戦闘の最中にクロウリーは今までの思いの丈をメイザースにぶつけます。

自分は羨ましかった。理解者のいる、妻を持ち家庭を築いていたメイザースが。対してメイザースも羨ましかった。財を持ち、才も持っていたクロウリーが。

メイザースは妻であるミナ=メイザースとも自分を比較していた。ミナには芸術の才があるが、自分には何もない。だからスコットランドの設定を持ち出し、魔術の腕を引き合いに出した。ミナの隣に立てるような相応しい、揺るぎない存在になりたかった。そんな何も持っていないメイザースを愛していたミナの愛情に、少しでも気付ければ何か変わっていたかもしれないのに。

そんなものはもはや問題ないと打ち切ったメイザースに、クロウリーは判決を下す。魔術とは人を大切に思う気持ちが形を成したもの。情も思いもない貴様に魔術を行使する必要はないと。

クロウリーはメイザースに直接攻撃した訳ではありません。原典であるメイザースは大地を走る龍脈や地脈から力を吸い上げている。ならば、その場の空間を別のエネルギーで満たし、押し出してしまえば力の供給は断たれる。

これにて決着。メイザースは力の供給を失いそのままボロボロと崩れ去っていきました。魔術を使った反動で身体にダメージを受けつつも、クロウリーもエディンバラ城へと向かいました。

後は上条さんの方で書いたのと同じですね。クロウリーはやはり凄かった。しかし、ホントについてない。もう可哀想すぎる。上条さんよりも不幸の星に生まれてるんじゃないか?

最後に思わぬ反撃を喰らってしまったクロウリー。次巻は活躍の場はあるのでしょうか。クロウリーが事あるごとにメイザァァァァス!と叫んでいるのでちょくちょく笑ってしまいました。お前メイザースのこと好きだろ。

・浜面仕上

一方、上条さん達とは全然立ち位置の違う浜面。今回でも以前ほぼ傍観者の立場のままです。だからこそ、ネフテュスら魔神が付いているんですけど。

魔神に散々振り回される浜面。浜面は黄金のことなども知らず、まったく今の状況を理解していません。振り回されつつドライブしていると、誰かを轢きそうになります。その誰かとはダイアン=フォーチュン。ショッピングセンターにクロウリー達にやられ、倒れていたのです。この出会いが浜面を傍観者という立ち位置を変えるきっかけになるのか。

とりあえず普通の?女の子だと思っている浜面は何の疑問も持たずにダイアンを助けます。目を覚ましたダイアンは、周りを見ると側には魔神のネフテュスと娘娘が。浜面達は科学側なので特に何も思わないですが、魔術側であるダイアンはそりゃもうビックリ。魔術師にとっては神のような存在。

ダイアンが出し抜いてやろうとしても相手は魔神。完全に運の勝負であるダイアンにとっては魔神との相性は最悪。大人しく車に乗り続けるしかありません。もし、これがダイアン個人ではなく黄金としてであれば可能性はあったかもしれませんが。

奇妙なメンバーでのドライブ。ドライブ中不穏な信号が2つ浜面達に近づいてきました。AIMストーカーである滝壺は信号に敏感のなのか過剰に反応してしまい、一気に体調が悪くなってしまう。

信号の正体は黄金のメンバーである、アニーとウェストコット。普通の人間である浜面では勝ち目がない。しかし、滝壺が危機に瀕している時に立ち向かわない訳にはいかない。勇んで挑むものの、やはり敵わず。万事休す。そんな浜面の前に現れたのはダイアンだった。

同じ黄金であるダイアンが障害として、アニーらに立ちはだかる。そんなことをすればダイアンの立場はどうなってしまうのか。そもそも、2人相手に勝ち目はあるのか。

ウェストコットの武器は安定性。対してダイアンは自分でさえ何が出るかわからない完全なランダム。相性は最悪。形勢はこちらが不利だと判断したウェストコットはアニーと共に退散していきました。

なぜ、ダイアンは浜面の味方になってくれたのか。それは、自分を何の躊躇も利害とか関係なく助けてくれたから。黄金は助けを求めた自分を助けに来てはくれなかった。

行動は言葉よりも時として強い時がある。助けると約束して来なかった人達よりも、そんなやりとりもなしに助けに来てくれた人の方を信じたくなるに決まってますよね。そんな人のために立ち上がれるダイアンもすごい。照れてるダイアン可愛い。

ダイアンは褒められるとすぐに調子に乗りますがそこも可愛いですね。そのせいでイジられやすくもあるのですが。

何とかピンチを乗り切った浜面達。車を停めていた浜面のポケットで不意に携帯が鳴り出す。何だと思い携帯を見てみると、鳴らしたのは元々はライダースーのAIであったアネリでした。クロウリーが学園都市の機能を復活させたことにより、アネリも再起動していました。

後部座席で魔神にイジられていたダイアンはアネリに気付くと急に怯えだす。アネリはミナ=メイザースのダウングレード版として開発されたもの。黄金が生きていた時代にダイアンはミナと色々あったらしく、そのせいでミナを恐れるようになったそう。ミナはすごい優しそうなのに。怒ると怖いんでしょうかね。

魔神やらアネリの圧力もありアッサリと自分達の内情を話してしまうダイアン。何にも今の情勢を知らない浜面にとっては何が何だか。あろうことか、コロンゾンに動かされてるからメイザースとも共闘できるかもとか考えてしまっています。うーむ。

何の気なしにメイザースの元へ向かおうと車を走らせる浜面達は、途中寄ったガソリンスタンドでバードウェイとレッサーに出会います。バードウェイとは前に話してあることがある浜面ですが、巨乳以外は知らないとバッサリ。

この男、胸でしか女の子のことをカテゴライズしてない。ミナとかも胸のおっきい人として認識してるし。しかも、ババァと言って追い討ちをかける始末。ビンタの痛みでやっとことチラッとだけ思い出す。基本、浜面は女の子の扱いが酷いというか下手くそですね。

バードウェイ達は浜面からダイアンの名を聞くと、自然そちらに目がいく。ダイアンは自分を見つめる羨望の眼差し?に気づいたのか、得意げに名乗り上げます。

バードウェイ達は黄金体系の魔術師。大元である黄金のメンバーであれば憧れも…と思いきや、イメージと違ったのかがっかりするバードウェイ。ダイアンは黄金の中でも新鋭だから仕方ないね。

バードウェイ達と別れた後、引き続きメイザースの元に向かう浜面御一行。疲れたのかみんな眠っている中、浜面はダイアンに話しかける。なんてことない世間話。でも、こんなどうでもいいことを話せる関係になるのはどれくらいの時間がかかるのか。

浜面はダイアンと約束を交わすと、ダイアンもその約束を果たすと言ってくれました。

クロウリーがメイザースと決着をつけたのと同時にダイアンにも変化が。大元であるメイザースがやられた。なら、黄金のメンバーも次第に崩れていく。ダイアンももちろん例外ではない。ダイアンは自分の異常に気づくと、浜面の呼びかけに小さく、小さく笑って、散ってしまった。

同じような状況で一方通行はクリファパズルを救ったわけですが、それは強者だからできること。何も持たない一般人である浜面では、救うことはできなかった。ここの対比が何とも悲しくて。

だが、浜面は認めていなかった。この理不尽を。ダイアンもわかっていた。近いうちにこうなる事が。でも、それでもダイアンは約束してくれました。救い出せ、勝手に終わったなどと思っている孤独な少女を。こうして、浜面はヒーローとして舞台へと上がっていきました。

やはり、主人公にはヒロインがいないとね。ここでようやく浜面は傍観者から主人公へと返り咲いたのです。浜面は誰でもヒーローになれるんだと、なってもいいんだと示してくれる1番自分達に近いヒーローですね。

次巻からはいよいよ浜面の本当の活躍が見れそう。とはいえ、上条さん達とは全く目的の違う浜面。黄金のメンバーを救うとあれば敵対してしまうこともあるのでしょうか。イレギュラーな浜面の行動に目が離せません。

・その他の人物

ここからはちょいちょい気になった人達について書いていこうかと。

まずはインデックス。インデックスは府蘭と共に行動していました。上条さんと行動していたが見失い、戦いの中心から離れてしまおます。そこで、次再会した時に適切なアドバイスができるようにと、インデックスは情報を集めて解析していました。

コロンゾンの秘密を暴いたものの、特に今回は目立った活躍はなく。それでも、甲斐甲斐しく上条さんの助けになろうと奔走するインデックスの努力には感服ですね。次巻では上条さんに巡り合い、助言ができるといいのですが。

そして、カエル顔の医者、ヘヴンキャンセラー。ミナの元に向かい、リリスを治療するのですが気になる話がいくつも出てきます。クロウリーの友人の1人と称する、ヘヴンキャンセラー。そこで、自分は黄金の魔術師のアラン=ベネットと正体を明かすのです。

かつて、クロウリーの師であったアラン=ベネット。そうであれば、クロウリーと昔からの知り合いであることにも納得がいくし、色々と腑に落ちてしまいます。

しかし、カエル顔の医者は嘘を付いていました。嘘といわれても、本物であるかのような知識と雰囲気。治療されて側にいた木原脳幹も本当にあのアラン=ベネットなのではないかと疑われています。

敵を騙すにはまず味方からともいいますし、何とも言えない。謎の多さやクロウリーとの関係の近しさから、本物なのではと勘ぐってしまいますね。僕は本物だと信じています。

メイザースは魔術の達人ということで、基礎を極めた存在として出てきましまたね。基礎を極めに極めたものが達人になるのは、お約束ですが外せないですよね。カッコいい。

それ以外にも、御坂美琴の父など気になる人物が出てきますがここまでにしときます。

・終わりに

今回もピンチになって、逆転しての連続で気になって一気に読破してしまいました。次巻からはようやくヒーロー3人が出揃います。クロウリーのいない中、どうコロンゾンに立ち向かうのか。ダイアンはどうやって救うのか。話も終わりに向かうのか。今からもう楽しみですね。

では、今回はこの辺で。

4 Comments

通りすがり

ダイアナではなくダイアン=フォーチュンですよ
実在する魔術師でカバラ布教の功労者です

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めーらん

すいません、自分の中で語感が良いとその名前で覚えちゃうんですよね。ご指摘ありがとうございます。

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