【Summer Pockets(サマーポケッツ)】Pockets 感想・レビュー あの眩しかった夏をあなたに届けたくて ※ネタバレあり

ALKAの後にタイトル画面に表れたPocketsの文字。ゲームのタイトルのSummer PocketsのPocketsが使われているところから、最後の物語の予感がしていました。

それでは、Pocketsの感想です。

・Pockets

最初にはまた謎の人物のモノローグ。声と1人称の「僕」からこれまでのモノローグの人物と同一人物であることが予想されます。

今回はこの「僕」の物語なのでしょうか。

「僕」は不意に雨の降る森の中で目を覚まします。その前のモノローグで、自分には何かしなくてはいけないこと、自分がたくさんの記憶に「編まれて」できているのとを語っています。

何かしなくてはいけないこと…、ALKAの後の事を考えると、うみがあの夏を変えるために何かを変えようとしてることが考えられますね。また、記憶とはうみの記憶だけなのか、あの場所に集まっている多くの同じような人達の記憶なのか。

「僕」はうみなのかと思っていましたが、1人称や声からうみとは少し考えにくい。とはいえ、何らかの理由で姿を変えている可能性もあります。まだまだこの時点では何とも言えませんね。

森の中で目を覚ました「僕」は、何とか起き上がり雨を避けようと、木々の先に見えた小屋に転がり込む。疲れのせいなのか、入った瞬間にまたすぐに眠ってしまう。

聞こえたのは大きな鶏の鳴き声。鶏というと、確かしろはの家に鶏の小屋があったような…。

その予想通り、しろはが住んでいる家にいるおじいちゃんの小鳩が鶏を捕まえに小屋に入ってきます。突然、小鳩と遭遇した「僕」はとりあえず家の中にと入れられました。

小鳩は何者でどこから来て何をしに来たのかを聞きました。ですが、「僕」には記憶がなく質問に答えることはできませんでした。

話の途中に現れたのはしろは。しろはが住んでいる家なのですから何もおかしくはありません。ただ、しろはが子供の姿であったこと以外には。

小鳩の服も色が違うような気がしましたが、これは羽依里たちが過ごした夏よりも過去にの話だったからみたいです。しろははお父さんを亡くしているらしく、あまり「僕」には心を開いてくれません。

「僕」のことについて何かわからないかと町の医者にも聞いてみましたが、ここの設備ではそこまで詳しい診察はできないそう。この島でわかることにも限界があり、「僕」は本土の方に向かうことに。

小鳩は港まで見送りに来てくれ、しろはのことを気にしていたからと、しろはのことを少しだけ話してくれました。

1ヶ月前にしろはの父親は事故で亡くなってしまったこと。しろはの母親は父親の後を追うかのように、何処かにいなくなってしまったこと。

ここで重要なことは母親は死んだわけではなく、いなくなったということ。母親はまだ生きているかもしれない。それに、しろはの母親ということはしろはと同じ過去に戻る力を持っているかもしれません。夫がいなくなったという悲しみに耐えきれず、過去に戻ってしまったのか。

しろはは両親がいなくなったという悲しみに耐えて、生活していました。まだ、小さな子供だというのに泣くこともなく。それとも、度の過ぎた悲しみにはひとは泣くこともできなくなってしまうのでしょうか。

しろはの話も聞き終え、小鳩に別れを告げて船に乗ろうとしたその時、「僕」は強烈な目眩に襲われます。まるで、この島から出てはいけないと訴えているかのように。結局、「僕」は船には乗らずにしろはの家に舞い戻ってきました。

やはり、この島でないと出来ないこと、やらなくてはいけないという使命が、「僕」にはあるのか。

これからどうするかと悩んでいると、小鳩はしばらく家に置いておいてくれるらしい。しろはの相手になってくれるのがありがたいらしい。

もちろん、仕事や用事などであまり相手をしてやれないのはあるのでしょうが、自分よりも近い年の人と触れてあげて欲しいのでしょう。

これから一緒に過ごす上としては、名前がないのは不便だと小鳩。「僕」何かと思い出さないかと考え込むと、七つの海を超えてここまで来たということを思い出しました。七つの海、から「七海」。とりあえず、「僕」の名前は七海ということに。

七つの海の「海」は何を表しているのか。各ヒロインのルートの数だと思って、ALKAを入れて数えても5ですし。夏を過ごした回数かと思ったんですけど。「7」は神秘的なですからその方面の意味なのでしょうか。そういえば、七影蝶にも7が含まれていますよね。これにも関連性があるのか。

とりあえずの名前が決まった後、何か手がかりはないかと七海は初めて目が覚めた場所に行ってみることに。

山の上で考え込んでいると、ふわりと、頭上で光が舞った。その光は七影蝶。それは一体誰の記憶の七影蝶なのか。何故、ここにいるのか。

ふと、ポケットの中に手を入れてみると小さな羽根が入っていました。この羽はALKAの最後で言っていた、「会いたくなったら使って」と言われてもらったあの羽なのでしょうか。

それからはしろはの相手をしながらのんびりとと過ごす日々でしたが、このままのんびりと過ごすだけでいいのかと考えた七海。ご飯を食べている時、出される料理が大して調理されていないことに気づきます。

食材は小鳩が釣ってきたもので新鮮で美味しいけど、それをそのまま刺身などにして、子供のしろはに出すのはどうなのか。

そこで、七海はしろはのために料理を作ってあげることに。作る料理はやはり…ちゃーはん。記憶はないはずなのに不思議とちゃーはんを作る手は止まりませんでした。

何でこんなにもちゃーはんのことは覚えているのか。ちゃーはんにここまで思い入れがある人といえば、うみちゃん。七海はやはりうみなのか。

作ったちゃーはんをしろはは食べさせようとしましたが、しろははまだ遠慮している様子。何とかしろはを丸め込め、食べさせるとしろはは美味しいと言ってくれました。

小鳩も来て、食べてくれましたが反応は微妙。美味しくない訳ではないっぽいですが、何か思う所があったらしい。小鳩はしろはのために料理を…、と頼もうとしましたが、結局頼みはしませんでした。料理自体に何かまずいことがあるのか。

しろははお父さんの味だと言って七海に料理を教えてくれるように頼んで来ますが、小鳩に釘を刺されているので家で教える訳にはいきません。すると、しろはは秘密の場所があるとそこに案内してくれることに。

秘密の場所とは…あの、変なメニューを出してくる食堂です。ここで、しろはのお父さんは食堂を開いていました。しろはが料理が得意のもあって、てっきりお母さんが料理が得意なのかと思っていましたが、お父さんの方が本職でした。

しろはお父さんのことを話してくれました。ふと、しろはは天井を見上げました。もしかしたら、涙がこぼれないようにしているのか。小鳩はしろはは泣かないと言っていたが、泣いてしまったら悲しいことは本当だと認めてしまうからではないか。ずっと、1人で耐えていた。

この食堂が綺麗なままなのは、しろはが1人で掃除をしていたから。家族の思い出の場所を大切に思って、守っていたのでしょうか。その日は、2人で掃除をしました。

次の日、2人はさっそく食堂に向かいました。そこで、七海は考えます。ただ単にしろはにご飯を作るだけじゃダメだ。しろはを笑顔にするにはそれだけじゃいけない。

そして、2人は始めることにしました。食堂の再開を。食堂を再開するにはやはり商品として出す料理を作れるようにならないといけません。作る料理はもちろん、ちゃーはん。それもお父さん特製のちゃーはんです。

しろははずっとちゃーはんのことを焼きめしだと言うのですが、七海もちゃーはんは譲れない。ということで、間をとってやーはん。メニュー名はやーはんに決まりました。

お父さんのちゃーはんに近づけてるには、お父さんの味を知っているしろはが頼り。しろは味は似ているが、お父さんのちゃーはんはもっと美味しかったと言います。

作り方はないかとしろはに聞くと、確かレシピがあったらしいとしろは。レシピを探して見つけると、そこには材料が書かれていました。人参や胡椒などの普通の材料だけでなく、河の主やイノキングなどの謎の材料までありました。

お父さんはこの島でしか食べれないものが作りたくて、この島でしか取れない材料にこだわっていたそう。その材料は売っておらず、お母さんが調達していたみたいです。お父さんよりもお母さんの方が行動的だったらしい。性格はしろははお父さんよりっぽいですね。

さっそく、2人は謎の材料探しに出かけます。まず1つ目は河の主。しろはに聞いてみると、2つの手でピースして、顔の前で動かします。となると、河で2つのハサミを持っていて、今までに出てきた生き物というと…そう、ザリガニです。

いったいどこから話を聞きつけたのか、河の主について知ってると1人の老人が話しかけてきました。その老人は青龍と名乗りました。あの小鳩といっしょに四天王スクワットをしていたおじいちゃんたちの1人ですね。まさか、こんな所で出てくるとは。

七海はとりあえずと何も気なしに河で釣りをしてみると、あっさり河の主が釣れてしまいました。どうやら七海はザリガニの好きな匂いを発しているらしい。この話はどこかで聞いたような。

2つ目は幻の山菜。ここでは堀田のおじいさんが出てきます。おそらく、あの堀田ちゃんのおじいさんですね。聞くと、幻の山菜は無料販売所にあるらしくあっさりゲット。

3つ目はお水。やーはんのお米を炊くのに使うお水が必要なのだそう。僕はいつもお米で炊くのにいつも水道水を使いますが、おいしい水だとそんなに味が変わるんでしょうかね。今度、試してみたいです。

その水は山頂にあるらしく、山を登らないければいけないかと思われましたが、水は下の方まで引かれているそう。でも、引かれている水はいくつもあり、どの水も安全ではなく利き水ができない人ないといけないらしい。

そこで、また現れたのが四天王の1人、玄武。彼は利き水ができるらしく、2人のためにと利き水をしてくれ、お水も難なくゲット。残るはイノキングだけとなりましたが、もう日は暮れており、残りは明日にすることに。

家に帰ると、小鳩ももう帰ってきていました。小鳩はしろはと遊んでくれていることに感謝していましたが、あの食堂には近づけないで欲しいといってきます。あの食堂に何かあるのか…、小鳩にはまだ隠していることがあるらしい。

訳を聞くと、しろはが悲しい思いをしてしまうからだとか。単純にしろはに悲しい思いをして欲しくないということなのか。

七海は少しでもしろはのことを知ろうと、小鳩にしろはのお母さんのことを聞き出します。なんでも、お母さんは加藤さんのところの子とは特に仲が良かったそう。加藤さんのところいうとまさかあの人か…。

その日の夜のうちに、七海はしろはのお母さんの友達に会うために加藤家に向かいます。そこで出迎えてくれたのは、羽依里の会った鏡子さんよりも少し若い印象を受ける鏡子さんでした。

ロングヘアーの若い鏡子さんも素敵です。鏡子さんもサマポケの中でかなり好きなキャラですね。優しいお姉さんっていいですよね。口の右下にあるホクロもポイントが高い。

鏡子さんは見ず知らずのの七海のことを特に怪しみもせずに、家の中へと入れてくれました。鏡子さんにお母さんのことを聞いてみると、居なくなる数日前にお母さんこと瞳は鏡子さんに話を聞きにきたそう。

話とはこの島の伝承。鏡子さんはもうこの頃から、考古学とかに興味があったみたいです。この島には白羽の伝承というのがあるらしく、簡単に言うと、女の人が小さな蝶になって愛する人に会いに行く話らしい。でも、愛する人に会うためには他の全てを失わなくてはならない。

それだけ聞くと白羽は何も関係ないように思えます。力を得ると時に海に身を投げるそうなのですが、海に落ちた時のしぶきが羽に見えることから白羽らしいです。この白羽の読み方からしろはと何か関係あるのかとも思いますが、どうなんでしょう。

その話を聞いたタイミングが夫の亡くなった後ということは、やはり夫にまた会うために過去に…。

瞳は口癖でよく過去を懐かしむ暇もないくらい楽しむんだと言っていたそうです。これは今が悲しくて過去に戻りたいと思わないようにということでしょう。もしもの時に力に縋ってしまわないように。

次の日もしろはと七海は食堂に行き、食材集めの続きをします。残る食材はイノキング。イノキングとら名前からしてわかるように、猪の王。猪を捕獲するべく2人は山に向かいます。七海は猪を捕まえようとしましたが、あっけなく逃げられます。

しろはには初めから方法が違うとわかっていたらしく、イノキングを手に入れるためにある場所へと案内されます。そこでは、猪を飼っているようで小屋の掃除のお礼にと猪の肉を分けてくれました。何でも飼っているおじいさんが品評会で金賞を受賞しているらしく、それでイノキングだったと呼ばれていたのです。ちなみに、おじいさんの名前は白虎です。

全ての食材を集め終えた二人は食堂に戻ります。さっそく、集めた材料でやーはんを作ります。しろはが食べてみたところ確かに美味しいのですが、お父さんのやーはんとはまだ違うらしい。

しろはによるとお父さんのやーはんは甘さがあったそう。材料がまだ足りていない。レシピにある材料は全て集めたはず…。もう一度レシピをよく見てみると、1番下に太陽のようなマークが。とりあえず太陽に関係のありそうで、甘くなる材料を試してみましたがどうにも何が違う。

太陽は空にあるから探すまでもないし、といことは太陽に近い場所ということか。七海はしろはにお母さんといっしょに行ったところで、何か思い当たるとはないかと聞くと1つあるらしい。でも、そこには大きな花が咲いてるだけで太陽はないという。

その場所に行こうとしますが、しろははあまり気が進まないのか少し戸惑っていました。しかし、しろはは吹っ切れたのか七海をその場所に案内してくれることに。

向かった場所には、一面の向日葵畑がありました。そう、太陽とは太陽のような花の向日葵のことを表していたのです。もちろん、向日葵が食材になるのではなく、向日葵の種を使うのだそう。食べてみると、少し甘い。いろいろな種を集めたお菓子を食べたことがありますが、向日葵の種は程よく甘くて美味しかった記憶があります。

しろはの方を見てみると、目を伏せて小さな肩を震わせていました。ここにはお母さんがいなくなってから初めてきたみたいで、しろはは両親がいた時の思い出を色々思い出してまいました。

なぜ、お母さんとの思い出の場所なのにここには来なかったのか。それは、両親との楽しかった思い出を思い出してしまうから。ここで、しろはは両親がいなくて悲しいことを思い出してしまったので、過去に戻ろうとするのではないかと心配でした。

ついには、泣き出してしまったしろは。そんなしろはを見て、七海もいつのまにか泣いていました。なぜだか無性に懐かしくなって…、自分も誰かと一緒に夏を過ごしてあたような…。

次の日、七海は向日葵の種を使ってまた新たにやーはんを作りました。しろはに味見をしてもらいますが、果たして…。しろはは美味しいと、お父さんの味だと言ってくれました。七海も味が気になり食べてみると、確かに美味しかったのですが、どこか懐かしさを感じました。やはり、以前にもこの島に来たことがあるのか。

その時、七海は思い出しました。あの、眩しかった夏の日の思い出を。羽依里としろはとうみの3人で過ごした、幸せな日々。でも、その幸せな時間も唐突に終わってしまう…。だからこそ、七海は救いにきたのです。大切な人、しろはのことを。

あの悲しい未来を避けるためには、しろはの過去に戻る力を発現させないようさせなくてはならない。しろはが力を手に入れたのはきっと、この時間の時のはず。そのために、七海はここに来た。まだ、具体的な方法はわからないけれども、それでも必ず助けてみせる。繰り返し続ける夏を終わらせるために。

やっとのことで完成したやーはん。しろはは小鳩にも食べてもらおうとやーはんを持って帰ることに。しろはは小鳩のためにもやーはんを作ろうとしていました。

小鳩にも喜んでもらえるだろうと食べてもらったのですが、反応はあまり良くない。それどころか、味に覚えがあったのか七海たちが食堂に行っていることに気付き、しろはを怒鳴ってしまいました。

しろはは小鳩にもためにも頑張っていたのに、どうしてそんなことが言えるのか。食堂はしろはの思い出の場所で、悪いことはないはずなのに。

七海は小鳩に何か隠しているではないかと問いつめると、小鳩は隠してることについて話してくれました。あの店には近づけてはいけない、思い出はいつも美しいとは限らない。

小鳩の妻がいつか小鳩に話していたこと。私達の血筋には不思議な力がある。その力には代償を伴うから、力に頼らないようにしなくてはならない。「じゃあ、どうするんだ」と小鳩が聞くと、「ただ夏休みを楽しめいいのよ」と笑って妻は答えました。

娘、瞳も同じことを言っていたらしく、しろはに楽しい夏を、過去の眩しさよりも未来の眩しさを探せるようにと。小鳩は悪魔でもしろはのためを思って、時にはきついことも言っていたのです。

娘も娘婿もいなくなってしまって、老いぼれの自分だけが残ってしまった。小鳩にも辛いものがあったのでしょうね。親としてはやっぱり、自分よりも若いうちに娘達が亡くなってしまって欲しくはないのか。僕はまだ子を持ってないのでわかりませんが、親になるといつかはそんな事を考える日が来るのでしょうか。

七海はいつのまにか日課になっていた、あの自分が初めて目を覚ました場所に向かうと、蝶が語りかけてきました。いいの、と。自分が何をしようとしてるいるのか、わかっているのか、と。

過去を変えるということは、あるべき未来が変わるということ。つまり、未来で起こることはなかったことになる。そこに自分はいないかもしれない。

それでも、七海はやるんだと覚悟を決めていました。この自分のことを心配してくれる蝶は、一体誰なのだろうか。七海の誰なのかという質問には答えてくれず、超はどこかへと消えてしまいました。

やーはんが完成した日から数日が過ぎ、ある日七海は小鳩からしろはの参観日に出席して欲しいと頼まれます。夏休みなのに、何でこんな時期に。今までの物語にもあった夏鳥の儀のための灯篭作りがあるそう。小鳩が行けばいいと七海は言いますが、他の子が怖がるから行かないらしい。まぁ、小鳩の見た目は迫力満点ですからね。僕でもちょっと怖くてあまり近づきたくないかも。

灯篭作りのためにプールへと向かう2人。プールに着くと、他の子供たちもいて教師がいちから灯篭のことについて説明してしました。プールを見ていると、七海は色々思い出してきました。プールで自作のスライダーを滑って、楽しかった思い出。あの眩しかった夏。

ぼーっとしていることに気付き、しろはのことを見守っていると周りの子供が、しろはの両親についてひそひそと話し始めていました。そんな心無い子供たちの言葉に傷ついたのか、しろははもう灯篭なんて作らないとプールから出て行ってしまいました。

そんな光景を見ていて、痛いほど気持ちがわかる七海はいつの間にか涙を流していました。そんな気持ちからも逃げるように、しろはのことを追いかけに行きました。

しろはは泣きながら食堂に駆け込んで行きました。泣けるのは、誰もいないここしかない。泣いてる姿をおじいちゃんがみると悲しい顔をしてしまうから、家で泣くわけにもいかない。

涙が止まらなかった。どんどん、お父さんやお母さんのことを思い出してしまって、泣き止まないといけないのに、目頭が熱くなってしまう。おかーさんは、どうして私を置いていってしまったのだろうか。私のことは好きじゃなかったのかな。

扉が開いた。七海が来たのかと思ったが、違った。来たのは瞳の従兄弟でした。従兄弟はしろはがお母さん私のことが好きじゃないと言っていると、そんなことはないと言ってくれました。どれだけ、お母さんがしろはのことを大切に思っていたのか。ですが、同時に不思議な力のことについても話してしまいました。

正直、余計なことをと思ってしまいましたね。これで、しろはは自分には力があることを知ってしまいました。そして、思い出します。お父さんがら亡くなってしまった日、夢で光る蝶に会い、お父さんに会いにいける力があることを教えてもらったことを。

しろはは参観日の日からずっと力のことについて考えていました。七海が、遊ぼうと誘っても部屋から出でこない。小鳩も仕事が終われば部屋ですぐに休んでしまう。何もない夏休み。このままずっとこんな日が続いてしまうのか。

今を悲しんでしまうと、過去に縋ってしまう。だから、楽しいあの眩しい夏のことをしろはちゃんに教えてあげないといけない。ひとつだけ、七海にはわからないことがあった。

本当にしろはのお母さんはお父さんに会いに行ってしまったのだろうか。お父さんがいない今だからこそ、しろはの側にいるべきなのに。しろはのことを置いていってもしなければならないことが、他にあったのか。

その疑問を解消するため、七海は瞳の友達であった鏡子さんの元に向かいます。鏡子さんは突然の訪問にも温かく迎えてくれました。

鏡子さんは時間の境目について話してくれました。もし、未来や過去などの時間の境目が無かったとしたらそれは自由に見えて、どこにも行けないのかもしれない。

例えば、夏休みがずっと終わらなければ、過ごしている時間はいつまでも夏休みのまま。夏休みの先の時間なんてなくて未来にも進むことができない。ふわっとした表現で何ともいえないですが、こんな感じだと勝手に思ってます。物語を読むときによく分からない理屈があったら、自分が一番理解できる理由で勝手に納得しとくのが気持ちよく物語を読み進める秘訣です。

鏡子さんに七海はもし会える力があるとしたら使うかと聞くと、鏡子さんは迷わず使うと答えました。もう会えないと思っていた大切な人に会えるとしたら、やっぱり使ってしまいますよね。例えどんな代償があったとしても。

不意に鏡子さんは七海のことをジッと見つめます。あなたはもう知っているはず、こんな話をするのは初めてじゃないとそんなことを言ってきます。

これはどういうことでしょう。鏡子さんと何か力を持っているのでしょうか。おそらく、鏡子さんは何も持ってないと思っているのですが。七海はうみだと思うので、うみとはこんな話を鏡子さんはしていないでしょうし。うみの中に、羽依里やしろはの姿を見ているのでしょうか。

祭りの日、しろはと七海は2人で過ごしていました。2人で過ごすお祭りは楽しくて、穏やかでした。でも、七海はうまく笑うことができなかった。このまましろはが毎日を楽しく過ごして、悲しい思いに囚われなければ未来はきっと未来は変わる。だけど、その未来には僕はたぶんいない。しろはが救われるのは嬉しいけれど、僕がいないのは過ごして悲しい。

しろははずっと神輿舟を見ていた。ふと、何が横切った。それは、一匹の蝶。しろははあっ、と声を出すとそのまま蝶について行ってしまいました。おかーさんに会いに行くと。

七海もしろはの後を必死に追います。このままでは、まずい。しろははあの呪いのような力を得てしまう。それだけはいけない。

森の奥に進むと、急に前が開けた。そこは、蒼が七影蝶を導いていた場所、迷い橘。そこにしろははいました。しろはは完全に自分の持っている力について知ってしまったようで、七海が特別な力を使ってここまで来たことに気付いていました。

光る蝶が樹に向かって集まっていく、何匹も、何十匹も。そして、それは大きな光となって、眩しさに変わっていく。

目を開けると、そこは羽依里が紬ルートで迷いこんだあの一面に花畑が広がる場所でした。ここは以前にも七海が力を得たときに通ったことがありました。ここにいたらしろはが力を得てしまう。

しろはは今までの思いを吐き出しました。おかーさんとおとーさんのいない生活はもう辛い。せめて、おかーさんには会いに行きたい。

七海はしろはを止めようと必死に言葉をかけます。しろはのお母さんはしろはちゃんを置いて、お父さんに会いに行ったんじゃない。きっと、しろはのために何か別の目的があって、どこかに行ったんだと。

もし、お父さんに会いに行くためじゃないとしたら、他に何の目的があったんでしょう。お父さんの死を回避し、未来を変えるため。そうだとしたら、未来にはお父さんとお母さんはいたはず。単に失敗しただけかもしれませんが。

でも、それでもお母さんは自分の側にいて欲しかったとしろはは言いました。お父さんもいなすなったばかりなのに、息つく間もなく1人にされたのですから。寂しさを埋めるために、お母さんには側にいて欲しかったはずです。

七海にもその気持ちは痛いほどよく分かりました。今が泣きたくなるくらい、悲しくて。未来に絶望して。そして、過去に縋りたくなってしまう。そんな気持ちがわかるからこそ、しろはちゃんを救いたい。

七海は「今年の夏は楽しかった?」としろはに聞いた。うん、としろはは答え、七海は「なら、次の夏はもっと楽しくなるよ」としろはちゃんに手を伸ばす。その手からは、淡く儚い、蝶の羽ばたきのような光が溢れていました。

その光から思い出が溢れてきました。未来のしろはのあの眩しい夏の日々。七海はこの思い出を届けるために、過去のしろはまで会いに来ていたのです。

それは、ただの可能性なのかもしれない。でも、未来にはこんなにも楽しい夏が待っている可能性もある。それを、ひとりぼっちの夏を過ごしているあなたに伝えてあげたかった。

しろはは自分のためにこんなことをしてくれる、七海が一体何者なのかが気になって尋ねる。七海は、全部打ち明けてしまいたくなったけど、それはできなかった。それを言ってしまったら、きっとあなたを悲しませてしまう。

七海はこの世界から帰ろうと、しろはと手を繋いで2人で一歩を踏み出す。未来へ進むための一歩を。一歩ずつ、進んで行くたびに何が解けていく。いくつもの繊維で編まれたものが、解けていくように。それは、記憶。

自分と同じような人達がいた。その中で1人、先導するように飛ぶ蝶がいた。その人に何て声をかけたらいいのかわからない。でも、自然と声が声が零れた。ありがとう、おばあちゃん。

おばあちゃんは、たぶんしろはのお母さんののことでしょうね。七海をここまで導いて来たのもお母さんだったのでしょうか。しろはのために。

目を覚ますと、元の場所に戻ってきていました。迷い橘を見ると、花は全て散っていました。ふと、しろはが七海を見ると七海の手が透けていました。七海の体からは蝶が溢れていました。

七海の体はたくさんの記憶が編まれてできていた。しろはちゃんに記憶を分け与えたために、体を構成することができなくなってしまった。解けたものは、結び直すことはできない。

七海にはもう十分だと思っていた。どうしても救いたかった、あなたたを救えたのだから。七海がしろはにお別れを告げたその時、しろはちゃんは「待って」と七海を呼び止めました。

見ると、しろはちゃんの肩に1匹の蝶が止まっていました。その蝶はおそらく七海の体から漏れ出たもの。その蝶は他の蝶と違って温かい、まるで見守るかのような光を七海に向けていた。

しろはちゃんは七海と以前いっしょに夏を過ごしていたことを、思い出していました。そう、しろはちゃんの肩に止まった蝶は、しろはの記憶を持った蝶だったのです。そして、しろはは七海をこう呼びました。羽未ちゃん、と。

七海は羽未ちゃんの正体は羽未ちゃんでした。そう思わせる描写は結構あったので、大体予想はついていましたね。

しろはちゃんは未来のしろはとなって、羽未ちゃんを問い詰めました。何で、こんなことをしてしまったのか。来てはいけないと言ったのに。

羽未ちゃんはどうしても助けたかった。あの時、言えなかった言葉を言いたかった。おはよう、とあなたに伝えたかった。しろはは呪いの力だとしても、羽未ちゃんとの絆になるならそれでいいと言った。

どちらか一方が犠牲にならなければ、救えない。なんて、切ない。どちらも相手を大切に思っているからこそ、辛いです。

しろはが「ずっと、一緒にいたい」と泣きながら言うと、羽未ちゃんも感化されてしまったのか「わたしもおかーさんといたい」とついにその胸の内を明かしました。おかーさんを助けたいのはもちろんだけど、それでもやっぱりおかーさんと一緒にいたかった。

羽未ちゃんはしろはにお願いをしました。歌を歌って欲しいと。しろはのお腹の中にいた時に、聞いていた子守唄。羽未ちゃんはもう眠いと、今にも眠ってしまいまそうです。しろはは眠っちゃダメと言いながらも、別れの時を悟ったようで、静かにその歌を歌い始めました。

羽未ちゃんは歌を聞きながらぼんやりと思っていた。僅かながら生まれたばかりの頃、こんな風に腕に抱かれながら、眠っていたことを思い出した。でも、この思い出も消えてしまう。過去を失い、存在を失う。全部、なかったことになる。それでも、羽未ちゃんは満足そうにおかーさんに別れを告げました。

1人残されたしろはは、羽未ちゃんとの思い出を思い出していた。いっしょにプールで遊んだこと、花火を見に行ったこと。私を助けてくれたのはうれしかったけど、やっぱり一緒にいたかったとしろはは泣き続けました。

ここで、スタッフロールが流れます。この悲しい結末で終わってしまうのかと思われましたが、まだタイトル画面には終わらず続きがありました。この悲しい結末のままでは、やっぱり終われないですよね。

そして、物語は羽依里の話へと移ります。羽未ちゃんが過去を変えた後の話。物語は一体どう変わるのか。

加藤家に向かうまでは、いっしょでしたがそれからはほとんど違いました。大きな違いは出会いがなかったこと。まず、羽未ちゃんはいなくなってしまったので、出会わなかったし、ヒロイン達と場所に行っても会うことはありませんでした。これが過去を変えるということなのか。

しろはと偶然すれ違ったとしてもなにも生まれせんでした。会話も発生せず、素通り。でも、羽依里不思議な感情にかられた。何か大事なものも通り抜けていったような。それでも、特に何もなく行ってしまいます。

テキストでの名前の表記の所が、しろはなどが女の子Aとかになっていたのが悲しかったですね。まるで、羽依里の物語には関係ないと言っているかのようで。

そして、羽依里はついに今までの物語でやっていなかった遺品整理をやり始めました。これが、何か変わるきっかけになるのか。

加藤一家は相変わらず、料理ができないので羽依里は食堂に向かうと、そこにはしろはがいました。この物語では、しろはが食堂を開いていました。過去に七海と一緒にやーはんを作った影響ですかね。注文した料理はおすすめのちゃーはん。ここで、少し会話は発生するものの何事もなく、羽依里は家へと帰りました。

夏休みが終わる3日前。羽依里はついにあの大量の遺品整理を終わらせます。鏡子さんも褒めてくれて、何か1つ欲しいものを持っていて、と言った。ふと、海の音が聞こえた。窓から差し込んでいた光が強まっていく。たまらず、目を閉じる。この眩しさはどこか知っているような気がした。

目を開けると、どこまで続く広い海原の上にいた。向こうには誰かがいた。それは、1人の少女。顔は、光に遮られはっきりとはわからない。でも、その少女のことを羽依里は知っていた。覚えていた。忘れるはずがない。「うみ!」と羽依里は叫んだ。光の向こうの少女はかすかに笑っていた。

気がつくと、いつの間にか蔵に戻っていました。蔵の片隅で何かが光った。それは、綺麗な七色の紙で折られた紙飛行機。あの、しろはと羽未ちゃんの2人でいっしょに折ったもの。それを、羽依里は窓から放った。紙飛行機はぐんぐんと高度を上げ、眩しさの中に消えていく。

そして、羽依里が島から帰る日。鏡子さんにお礼を言って、港へと向かう。何故だか、羽依里はやっとお手伝いができたと感じていた。羽依里が帰った後、鏡子さんは1人呟いていました。「これでよかったのよね、瞳」と。

鏡子さんは瞳から相談を受けた際に、何かしらの協力を求められていたのでしょうか。鏡子さんが具体的に何をしていたのかはわかりませんが、羽依里としろはを導くために色々していたのでしょう。

帰る途中で、これまでの物語で出会った人たちと会っていく。天善や良一、蒼やのみき。鴎はお母さんと冒険の準備をしていたようです。この世界線では、鴎は病気が治ったのかとても元気そう。紬は灯台には行ってないようですが、静久と友達になっていました。紬はいったいどういう存在となっているのでしょうか。

羽依里は港に着くと、どこか尾を引かれる気がしながらも船に乗ります。ふと、振り返ってみるとしろはが海を眺めていました。手にはあの七色の紙飛行機を持っていました。そっと、しろはは紙飛行機を海へ放つ。しろははこの紙飛行機に何かを感じて、導かれてここまで来たのでしょうか。

羽依里は、胸がしめつけられる不思議な感情が湧いていた。まだ見ぬ未来を懐かしんでいて、何かを思い出したくてこの島に来た。自分にはまだ何かやらないもいけないことがある。羽依里は船から飛び降り、しろはの元へ。

突然のことにしろはは驚いていた。羽依里には何を言っていいかわからなかった。何か言わなくちゃいけないのに。何か、何でもいい、何か言わなければいけない。羽依里はちゃーはんの作り方を教えて、と言った。しろは突然のことに思わず吹き出すと、いいよ、と小さく笑って、そう言った——。

・Pockets感想まとめ

Summer Pockets、最後の物語としてよく最後まで描き切ったと思います。所々、謎は残るものの綺麗に終わったのではないのでしょうか。

しろはと羽未ちゃんのお別れのシーンは涙が止まりませんでしたね。羽依里の出番が少なかったのが、少し寂しかったですが。

最後の羽依里がしろはに何か言い出す所は、何だか「涼宮ハルヒの憂鬱」の「エンドレスエイト」を思い出してしまいますね。何回目のループの後にキョンが強烈なデジャヴを感じて、ハルヒに言葉をかけるシーン。タイムリープというかこういう話では、決して出会わないであろう2人がそれでも出会うというのが醍醐味ですよね。

これで、Summer Pocketsの全ての物語の感想を書いたわけですが、最後にSummer Pockets全体の総評を描いて終わりにしたいと思います。

それでは、また。もう少しだけお付き合いください。

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